船堀の江戸久寿餅(くず餅)~くず餅発祥の地《池上本門寺》に行ってきた【江戸川歴史散策】
江戸川区内でくず餅を製造販売する創業昭和30年の山信食産
船堀駅から少し北に向かい、少年野球場を左折してまもなく、くず餅工場が見えてきます。工場の前で仮設販売をしています。一見すると、なんともラフな販売方法です。とはいえ、最近ではデパートやイベントでハート形くず餅やクズクズシェイクなど、とてもユニークな商品メニューが若者にもとても人気になっています。
山信食産公式サイトでは、職人からのメッセージをはじめ、くず餅の原料、黒蜜やきな粉のこだわりや効用などが紹介されています。
>>>山信食産の公式サイトを見る(外部リンク)
くず餅は和食で唯一の発酵食品
くず餅は発酵食品。発酵食品特有の酸味臭をとるため4日間水洗いをしているそうです。 今回、食べてみたのですが、個人的には酸味は感じませんでした。一口大にカットされているものとカットされていない板状のものが販売されています。 今回カットされているものを購入して盛り付けてみました。
黒蜜ときな粉は適度な量。個人的には黒蜜は少々さらさらしている印象。
世界初「飲むくず餅」クズクズシェイズを開発
山信さんは世界初の飲むくず餅である「クズクズシェイク」を開発しました。シェイクに入っているくず餅は小さく四角に切られているため、より存在感があります。 タピオカよりもやや硬い食感です。タピオカシェイク同様にストローで飲めます。
テイクアウト用には小さなくずもちを別パッケージにしてくれます。
江戸久寿餅 とちおとめ 和三盆レモン蜜 2020年6月
先日、栃木県真岡市産のとちおとめを使用した和三盆レモン蜜と瀬戸内海大崎上島産のレモンを使用した和三盆レモン蜜のくず餅をいただきました。定番の「黒蜜ときなこ」と比較すると、かなり”さっぱり”といただくことができます。新しい味のくず餅です。
関東のくず餅発祥の地《池上本門寺》に行ってきた
くず餅は製造方法は関東と関西で違う
ところで、くず餅と言えば、関東と関西では製造方法が違います。関東は葛粉を使わず、小麦粉から生成されたデンプンを乳酸で発酵させたものです。 全国的には葛粉を使ったくず餅のほうが多いようなので、小麦粉を使ったくず餅は関東独特の食品ともいえます。
関東でのくず餅発祥の地
では、関東でのくず餅の始まりはどこだろうと疑問に思いました。諸説あるようですが、今回は関東くず餅発祥の地と言われている池上本門寺山門前の老舗三店に出掛けてみました。 ちなみに、訪れたのは東京での桜の散り始めの頃。池上本門寺の散りはじめの桜はとてもきれいでした。
池上本門寺へのアクセス
今回はJR新小岩駅から出発しました。新小岩駅から浅草橋、都営浅草線に乗り換え、終点の西馬込駅東口へ。そこから徒歩15分、目標は梅田小学校、貴船坂上の交差点を右折して青露庵からきつい坂道を登って行くと右側に本堂が見えて来ます。目当てのくず餅やは、山門前にありました。一番近い、池田屋、藤乃屋(相模屋閉店後)、そして、浅野屋の順に訪ねてみました。いずれの店も江戸時代から商いをしている老舗のようです。
関東のくず餅の名店
ここで、関東での名店と言われている老舗を紹介しておきます。、亀戸の船橋屋、川崎大師の近くの住吉、住吉総本店、松月庵、蕎麦膳はやま、福嶋や、恵の本、王子稲荷神社近くの石鍋商店などです。いずれもお寺や神社近くにあって、主に参拝客向けのお土産として販売されているのが特徴的です。
今回は、本門寺のくず餅と、船堀の山信さんの久寿餅の食べ比べができたので、とても幸せな気分になりました。江戸川区あたりでは、亀戸天神近くの「船橋屋」が有名ですが、今回は江戸川区内で作られているくず餅を紹介しました。
山信さんでは、工場での直売と催事場での販売を行っているそうです。
詳しくは
山信食産の公式サイトの直売・催事場のご案内(外部リンク) で確認できます。