麦茶ブランド<つぶまる> 老舗がつくる伝統の味と香り【江戸川歴史散策】
個人的に、出掛けるときには水筒の麦茶は欠かしません。ということで、今回の散策は、江戸川区の麦茶ブランド<煮出し麦茶・つぶまる>を求めて、古川親水公園を南下し、新川に突き当たった左手にある工場直売の小川産業を目指しました。
一之江駅から環状7号線を南に進んで二之江宮前通りの少し手前に古川親水公園のバス停を目当てに東に向かうと、二之江神社やコミュニティ会館があります。二之江神社前では、毎年古川祭りが行われとてもにぎわうそうです。
古川親水公園沿を歩きだしてすぐに、心地よい空間のなかに水しぶきをたてている滝がありマイナスイオンを感じます。
野瀬文橋
古川親水公園は昭和48年に完成した日本初の親水公園です。半世紀以上もの時を経た公園らしく、木々も大きく育ち、落ち着きと風格をかもし出しています。この滝から、すこし西へ進むと赤い欄干の<野瀬文橋>があります。青空と新緑のなかで欄干の赤はとても鮮やかに見えます。少々大げさかもしれませんが、まるで鎌倉か京都を散歩していいるような錯覚を覚えるようです。
>>>古川の歴史と古川親水公園の風景(日本初の親水公園)を見る
老舗小川産業の麦茶ブランド<つぶまる>
野瀬文橋から、さらに進むと古川橋の手前当たりから、香ばしい匂いがしてきます。目当てのお店、創業明治41年の<小川産業>です。
<つぶまる>を購入
一見段ボールがつまれた工場なので、知らない人はなかなか入りづらいと思います。入り口を入ると左手に、きな粉を刷り出している大きな機械があります。粉だらけの男性が忙しそうに仕事をしていました。少々遠慮しつつ、声をかけさせていただきました。
「すみません、こちらで麦茶売っていますよね。」
男性は「はい、売っていますよ」。
指を指した先は、段ボールが積まれた倉庫。その前に、折り畳み式の会議机の上に、見本品のように商品が並べられていました。いかにも、工場直売という感じですが、実は、私が20年前に訪れたときには、事務所の奥にきれいにディスプレイされていたという記憶があったので、今回少し戸惑いました。<つぶまる>を買おうと女性に声をかけると、「20年ほど前に建て替えたのよ」と笑顔で話してくれました。とそこに、先ほどの男性が現れて品物の説明をしてくれた。話ぶりから、大将、いや社長さんだとすぐにわかりました。小川良雄社長、そして笑顔の素敵な女性は奥さんの順子さんでした。商品の説明を聞いてる間にも、ひっきりなしにお客さんがやってきます。お客さんは、1パック、2パック買うのではなく、箱買いをしていきます。
「ずいぶん繁盛してますね」。「まだまだ宣伝していかないと」と奥さんが言うので、それでは「一番宣伝したい商品は」と尋ねると、「<冷水・つぶこ>かな!。 <つぶこ>は<つぶまる>を砕いた水だし仕様のパックです。もちろん煮出しても美味しいです。」と説明いただきました。
商品ラインナップ
そこで、「ブログに掲載して宣伝させてください」と申し出たら、笑顔で「ほんとですか、ありがとうございます」とポーズをとってくれました。パチ、パチ、ラインナップの商品も、そして社長も一枚パチッ、いい写真がとれました。
こちらが今イチオシの<つぶこ(冷水/煮だし用)>です。三角ティーバッグ10個入です。
工場の入り口と天井にカラスの作り物が吊るしてありました。「これはなんですか」と尋ねると「鳩よけだよ、けどあまりにリアルなのでカラスの仲間が助けに来るんだよ」と笑って話してくれました。
社長は、朝7時過ぎには石窯のボイラーに火をいれて、年間150tの麦茶と300tのきな粉を作っています。仕事はとても楽しそうです。元気はつらつな社長です。そんな社長の<モットー>は「ひと手間かけること」そして、「美しく澄んだ透明感と上品な味、香りが特徴の製品づくり」を心がけることだそうです。長年、ものづくりを続けてきた社長の含蓄深い言葉でした。文章では、<つぶまる>の味や香りをお伝えできませんが、作り手の<ものづくりに対する姿勢>はぜひお伝えしたいと思いました。
麦茶の粒を砕いてしまえば、少ない原料で早く色の出る麦茶がつくれます。でも、砕いてしまったら、美しく澄んだあの透明感と上品な味・香りは出せません。粒のままの「つぶまる」だから出せる麦茶の味。小川は時代を超えて本物をつくり続けたいと思うのです。
「つぶまる」パッケージに記載されている紹介文より
チャーミングで働き者の奥さん、三代目、元気印の社長小川良雄さん。すてき度120%です。我が家の麦茶がなくなったら、もちろん箱買いにします。それからきな粉も。
早く帰って麦茶を沸かさなくちゃ!でも、今日は天気がいいのでもうすこし散歩して帰ります。
今回購入した麦茶<工場直売>
看板商品の「つぶまる」
昔ながらの石釜で二度煎りした麦茶です。粒のままの姿の麦を煮出します。「遠赤外線」効果によっておいしく煎り上げられます。
パッケージ裏の「とびきりおいしい麦茶の作り方」
- 約750ccの水を火にかける。
- 「つぶまる」を入れる。
- 沸騰したら弱火で5分ほど煮出す。
- 火を止め、30分~1時間そのままの状態で冷ます。
- 冷蔵庫で冷やす。
つぶこ(冷水・煮だし用)
つぶまるピルスナー
麦茶づくりの老舗<小川産業株式会社>
製造から販売までを一貫して自社で行い、本社(工場)での小売から大手企業への卸売、インターネット通販、有名デパートでの販売も行っています。Amazonでも購入できます。
>>>小川産業株式会社ホームページを見る(外部サイト)
江戸川区公式ホームページ<えどがわ産業ナビ>には、社長のインタビューをはじめ、商品の紹介やおいしさを引き出す飲み方などが紹介されています。
>>>えどがわ産業ナビを見る(外部サイト)