江戸川区の長所
江戸川区民が、江戸川区にどの点を評価しているのか、またどの点を改善してほしいと思っているのか。『第31回江戸川区民世論調査』(平成26年)の分析を行った。
調査概要
- 調査期間:平成26年5月20日~6月8日<20日間>
- 対象:住民基本台帳より無作為に選出した満18歳以上の区民2,000人
- 調査方法:対象者へ直接調査票を郵送・回収は訪問回収と郵送回収の2方法
- 有効回収数:1,512件
- 有効回収率:75.6%
江戸川区が実施する世論調査は、回収率が高く、信頼性が高いものである。
この調査では、「江戸川区の現況について」として、以下の18項目を、満足-やや満足-ふつう-やや不満-不満-わからない、という尺度で測定している。
ア.買い物の便/イ.交通の便/ウ.道路・歩道の整備/エ.公園・水辺の整備/オ.緑化の推進/カ.街の景観/キ.街のバリアフリー/ク.ごみの収集/ケ.リサイクルの推進/コ.地域の治安・安全性/サ.災害への備え/シ.近所づきあい/ス.文化施設の充実度/セ.スポーツ施設の充実度/ソ.熟年者の生活環境/タ.子育て環境/チ.健康相談・健康診査/ツ.病院・診療所の充実度
今回は、調査報告書の中では行われていないコレスポンデンス分析を行った。コレスポンデンス分析は、一つの図で調査項目間の関係を視覚化する分析手法である。なお、分析データは、江戸川区公式ホームページに掲載されているクロス集計(エクセル)を活用した。
コレスポンデンス分析
クロス表を一部加工して、統計ソフトで分析した結果が下図(同時布置図)である。
(クリックで拡大)
横軸の左から右へ、満足→不満を表している。青い円が満足度の尺度、赤い円が調査項目である。これらの円が近くに布置されている場合は、関係があると解釈できる。この布置図から満足度が高い項目と低い項目を読み取ることができる。
満足度が高い項目(区民に評価されている項目)
- 公園・水辺の整備
- 緑化の推進
- 買い物の便
満足度が低い項目=区民が改善してほしい項目=政策課題
- 災害への備え
- 街のバリアフリー
- 地域の治安・安全性
子育て環境
子育て環境は、やや満足に近く布置されていて、他の調査項目と比較しても比較的高く評価されているものと解釈できる。
調査結果をみるかぎり、江戸川区民全体として満足度が極端に低い項目は上で指摘した3つの項目に限られているようだ。江戸川区が力を入れている地域の治安・安全性については、まだまだ評価が高くはない。これらは、予算と時間を要し、短期間に評価を改善することは難しい問題ではある。