江戸川区の歴史・名所

日本一の繁茂面積 国の天然記念物 影向のマツ(影向の松)

日本一の繁茂面積 国の天然記念物 影向のマツ(影向の松)

江戸川区の小岩にある善養寺には「影向のマツ」と呼ばれる繁茂面積日本一の松があります。国の天然記念物であり、江戸川区登録天然記念物でもあります。正式な表記は、「マツ」とカタカナのようです。なお、松の根元にある四角い石は「影向の石」と呼ばれています。

「影向」という言葉は、神仏がこの世に仮の姿をとって現れることを意味するそうです。1970年代以降には、香川県さぬき市の真覚寺にあった岡野松と「日本一争い」を展開しました。

その後、善養寺の影向のマツは何度も枯死の危機に陥りましたが、そのたびに地域の人たちの力によって復活を遂げてきました。1993年5月20日、岡野マツは枯死のため伐採されました。

画像 影向のマツの繁茂の状況
影向のマツの繁茂の状況

江戸川区小岩の善養寺

  • 場所:東京都江戸川区東小岩の善養寺境内
  • 種類:クロマツ
  • 樹齢:600年以上で繁茂面積は日本一
  • 天然記念物:東京都の指定1926年(大正15年・昭和元年)4月、国の指定2011(平成23年)年9月
  • 善養寺では、毎年10月に影向菊花大会が開催されます。

影向のマツ 2017年6月撮影

繁茂面積は800平方メートル以上。日本一の松です。松の高さは約8メートル。地上約2メートルのところで枝を四方に生育しています。東西に約31メートル、南北に約28メートルにもなります。 松の枝の下を歩いて見学できます。

四方に育成された枝

木の下から撮影しました。四方にのびた枝、上に伸びた幹が確認できます。

画像 四方にのびた枝の様子
四方にのびた枝とうえにのびる幹
画像 四方にのびた枝とうえにのびる幹
四方にのびた枝

影向の松は82本の支柱で支えられています。

画像 江戸川区 善養寺 影向の松

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画像 江戸川区 善養寺 影向の松

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画像 江戸川区 善養寺 影向の松

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『天明三年浅間山噴火横死者供養碑』

江戸川区教育委員会による「天明三年浅間山噴火横死者供養碑」には以下のように説明がなされている。

天明三年(1783)7月、浅間山(長野県)の大噴火がありました。関東一体に火山灰が降り、山麓では山津波がおこり多くの人家が押し流されました。多数の犠牲者の遺体が利根川や江戸川を流れ下り、この付近の中州にも流れつきました。

地元の下小岩村の人々は、遺体を収容し、手あつく寺内の無縁墓地に埋葬しました。寛政7年(1795)の7月に13回忌をいとなみ、この供養碑を建て、その霊を弔いました。

この供養碑は、昭和30年ごろから行方不明になっていましたが、47年に寺内で発見され、ここに再建されました。

※この時の浅間山の噴火は7月6日から8日にかけて発生した。

画像 江戸川区 善養寺 天明三年浅間山噴火横死者供養碑

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画像 江戸川区 善養寺

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